県立高校を55→44校に再編 愛媛県教委の計画、来年1月に決定へ
愛媛県教育委員会は、中等教育学校を含む全日制の県立高校55校を5年間で44校に統合・再編するなどとした県立学校振興計画案を発表し、来年1月に予定する正式決定に向けて準備を進めている。少子化による高校の生徒数減少に対応するためで、計画案では全日制と定時制・通信制の計16高校が統合・再編の対象となっている。計画は2023年度から実施する予定だ。
計画案では「周桑」「西条産業科学」「しまなみ海洋」「愛媛風早」(いずれも仮称)の新校名を提示。周桑と西条産業科学は、西条市の周桑地区にある小松、東予、丹原の3高校を統合して設置する。しまなみ海洋は今治西高伯方分校と今治北高校大三島分校が統合。愛媛風早は北条高校を改編したうえで、大洲高校肱川分校(定時制)、松山東高校(通信制)と統合する。
県教委によると、今回の振興計画の実施期間は23年度から10年間で、学校の再編は27年度までに順次実施する予定とした。計画案の意図は、少子化による県立学校の小規模化が進んでおり、より多くの生徒と切磋琢磨(せっさたくま)できる教育環境を実現することにあると説明。計画案策定にあたって、職業系学科の魅力向上や生徒への多様な選択肢の提示などに留意したとしている。
県教委によると、県内の中学校卒業者数は20年3月(現在の高3)の1万1725人から32年3月には1万47人まで減少すると推定しており、県立高校の入学志願者数は8年連続で定員割れの状態が続いている。
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。