日本の安保関連3文書、米中の思惑は 歓迎と警戒、焦点は台湾問題

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ワシントン=清宮涼 北京=冨名腰隆
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 16日に岸田政権は、敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有などを盛り込んだ国家安全保障戦略など安保関連3文書を閣議決定した。改定の背景には米中対立の深まりがある。日本の防衛政策の大きな転換を両国はどうみているのか――。

 バイデン米政権は、日本の敵基地攻撃能力の保有や防衛費の増額といった日本の新方針を歓迎している。日本の防衛力強化が、米国が最も重視する中国への抑止力につながるとみるためだ。台湾有事などを見据え、日米がどのように具体的に一体化の動きを深めていくのかが今後の焦点だ。

 オースティン米国防長官は、日本の安保関連3文書の発表を受けて声明を発表。文書について「ルールに基づく国際秩序と、自由で開かれたインド太平洋を守るという、日本の断固たる関与の意志を反映したものだ」と述べ、歓迎した。

 オースティン氏は、「地域の抑止力強化に向け、反撃能力を含む新たな能力を獲得するという日本の決定を支持する」と表明。2027年度までに防衛費を国内総生産(GDP)比2%へと大幅に増額する方針にも賛同し、今後も日米間の協力を進める、とした。

 サリバン米大統領補佐官(国…

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