米専門家も驚く日本の急変化 トマホーク購入は「象徴的意味」か

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ワシントン=清宮涼
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 日本は防衛費の大幅な増額や敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有を決め、安全保障政策の大きな転換に踏み出しました。日本への滞在経験が豊富で、日米の安保政策に詳しい米ランド研究所のジェフリー・ホーナン研究員に、意義や課題を聞きました。

 ――日本の安全保障関連文書の改定の議論について、どうとらえましたか。

 めまぐるしいほどの、急速な変化でした。今回の改定は、日本の戦略的思考の進化を表しています。自国だけでなく、地域に目を向け、より大きな役割を担うようになりました。米国では歓迎されるでしょう。

 米国は中国を脅威とみなし重視しています。中国やロシア、北朝鮮の挑戦に対する、日米の戦略的思考は一致しています。米国は同盟国と、あるいは同盟国同士での協力を深める「統合抑止」を掲げており、こうした方針にも沿うものです。

 日本の政策立案者の間では長い間、中国が安全保障上の課題として議論されてきましたが、あくまで仮定上の議論にとどまっていました。しかし、ロシアがウクライナに侵攻し、かつては仮定だったことが現実になりました。中国が日本の安全保障にどのような影響を与える可能性があるのか、明らかになり始めています。それが日本の変化の背景にあると思います。

 ――日本の敵基地攻撃能力の保有をめぐる議論について、どうみていますか。

 日本はより積極的な役割を果…

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