校内放送引退 感動の15分 大窪シゲキの9ジラジ新聞
■大窪シゲキの9ジラジ新聞
11月初旬。番組にメッセージが届きました。「広島中等教育学校放送部です。実は私たち5年生(高校2年生)は、12月14日でお昼の校内放送を引退します。そこで、大窪さんにお願いがあります。最後の放送を一緒に担当して頂けませんか? 顧問の先生の許可は取っております。この日は校内に向けてテレビで配信もしたいと思っています。ご検討ください」
僕らに中高生からのお誘いを断るという選択肢はありません。快諾しました。そして、当日。お昼13時から校内に生放送。楽しく始まったかと思いきや、スタート直後にまさかのトラブルが発生。「教室のテレビに映像は出ていますが音は出ていません」との報告がありました。ですが、焦ることはなく放送部員たちが臨機応変に対応。ものの数分で後輩たちと共に音声だけの校内放送に切り替えたのです。
僕はその姿を見て感動しました。「今日まで支え合いながら放送部で色々な経験をしてきたんだろう。だから落ち着いてトラブルも回避できたんだろう」。素晴らしい判断力と瞬発力。もちろん、その後の放送のトーク力と語彙(ごい)力も抜群でした。生徒から集めた学校あるあるを一緒に楽しく紹介。あっという間の約15分間でした。
正直、喋(しゃべ)り足りなかったので、翌日は広島エフエムのスタジオで9ジラジに生出演してもらいました。学校の魅力や放送部での思い出など約60分間。同級生や先輩後輩、ご家族からも心温まるメッセージが多く届きました。本当に素敵な学校です。
今年も若者たちの人生という名の物語に参加できて、僕らは幸せでした。実は今回が今年最後の9ジラジ新聞です。ご覧頂きまして、心からありがとうございました。来年も広島の中高生たちのお話をお届けします。ちなみに、12月29日の9ジラジが今年ラストの生放送ですが、スペシャルゲストが登場予定です。シンガー・ソングライター『高橋優』さんと一緒にお届けする特別な2時間。年末のラジオもお聴きくださいませ。
おおくぼ・しげき 1979年、大阪府生まれ。07年から広島FMで「9ジラジ」(月~木曜・午後8時)のDJとして活躍中。ご意見、ご感想は広島FMのホームページ(hfm.jp)から。
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