駐車違反をした車の所有者が「違反金」を滞納した場合、暗号資産も差し押さえの対象にする――。埼玉県警がそんな運用を始めた。違反金の滞納が生じた場合、預貯金や車両を差し押さえるケースが大半だが、低金利が続くなか、資産を預貯金以外のものに組み替える人が増加。納付逃れの防止と公平性の担保のために差し押さえの対象に加えたという。
警察官らが駐車違反を確認すると、車両に標章を貼り付け、まず運転者に対して、警察署に出頭して「反則金」を納付するよう求める。運転者が応じない場合は、車両の所有者に「放置違反金」の納付書が届く。納付しないと警察から連絡があり、何度も無視すると、道路交通法や地方税法に基づいて資産を差し押さえられる。
一時不停止や飲酒運転などの運転者の違反も青切符なら反則金、赤切符であれば罰金が科されるが、未納者は労役などをすることになる。反則金については資産の差し押さえはない。
放置違反金の制度は道交法の改正で2006年に始まった。警察庁によると、21年の全国の差し押さえ件数は1万32件。対象は現金や預貯金、車両が多く、給料や外国為替証拠金取引(FX)の証拠金、電話の加入権が差し押さえられる事例もあるという。
暗号資産のほかにも…
埼玉県警は昨年度、未納とな…