ダイコンが冬のイチョウに鈴なり 京都の禅寺でたくあんづくり

小西良昭
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 全国各地でこの冬一番の冷え込みとなった19日、京都府八幡市の禅宗道場・円福寺で、たくあん用のダイコンをイチョウの大木につるして干す作業があった。冬の風物詩だ。

 高さ約15メートルの木の根元にいる僧が、数本ずつ束になったダイコンを滑車とロープで上げ、ヘルメットを着けて木に登った別の僧が、枝に干していった。

 約800本のダイコンは、僧らが近くの大阪府交野市枚方市を含む農家などから托鉢(たくはつ)で集めた。例年より少なめで「農業をやめる人もいるようだ」という。今後、寒風に3週間ほどさらし、たるで2~3年漬け込む。

 春と秋の「万人講」で精進料理に出すほか、僧の食事にもする。僧の一人は「いただいた1本ずつを大切に干したい」と話した。

 イチョウの下では暖をとるたき火がたかれ、見学や写真を撮りに来た人たちにはダイコンのかす煮が振る舞われた。枚方市の主婦藤原いづみさん(68)は「初めて見た。あんなに高い木に干すなんて面白い。ダイコンを下ろすときも見に来たい」と話した。(小西良昭)

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