辞める可能性「ゼロではない」 大阪トリプル選に向けて堺市長が含み
来年6月4日投開票が決まった堺市長選について、永藤英機市長は20日の定例記者会見で、自らの去就について「(辞める)可能性はゼロではない」と含みを持たせた。永藤氏が来春の統一地方選前に市長職から退いた場合、統一選前半に行われる大阪府知事選、大阪市長選と同日の「トリプル選」となりうることから、永藤氏の判断に注目が集まっていた。
統一選は本来、その年の3~5月に任期満了を迎える自治体の首長選と議員選が対象。来年6月1~10日が任期満了となる選挙は選管判断で統一選と同時実施できる特例法が今年11月に成立し、堺市長選の前倒しが可能になった。4月9日は府知事選、大阪市長選のほか、大阪府議選、大阪市議選、堺市議選も実施される。堺市長選を一緒に実施すれば約1億1千万円の選挙費用の削減効果や投票率向上効果が見込める。
ただ、堺市選挙管理委員会は今月10日の会合で、「候補者の争点がわかりやすく、円滑な選挙になる。市民の判断をしっかり仰げる選挙になる」などして、市長選を6月4日に単独実施する日程を決めた。
この市選管の会合後、維新の黒田征樹・堺市議団長が「市長に(統一選の)前で辞めてもらって同日選に持ち込むことも含め、色々な選択肢を排除することなく判断していく」と発言していた。
永藤氏は、「選管の判断は尊重する」「任期は一定重視している。単に選挙日程を考えて(辞めて任期を)短くすることは望ましくない」と述べたものの、定例会見後にあった政務の会見では、「(辞める)可能性はゼロではない」と発言。「私は維新公認で当選した首長。維新が『永藤よりもいい候補者がいる』と判断した場合は、身を引くべきだと考えている。維新の候補者と対立して戦おうとも思わない」と述べた。(井石栄司)