CM撮影と娘の闘病 行正り香さんが主治医に言われた忘れ得ぬ言葉
小川裕介
元CMプロデューサーで料理研究家の行正り香さん(56)は2011年、次女の体の異変に気づきました。白血病が寛解して退院した日、主治医の言葉が家族に大きな影響を与えたといいます。
「僕たちの仕事は簡単です。子どもたちに良いことをすればいいだけですから」
バーにたむろする客たちに、小雪さんがハイボールを差し出す――。サントリーのCMで裏方の調理を担当していたのが行正さんだった。このCMを見るたびに、約10年前を思い出す。
2011年、6歳だった次女のさくらさんの異変に気づいた。微熱が続き、受診しても快復に向かわない。足には知らぬ間にあざができていた。さらに大量の鼻血が出て、東京・築地の聖路加国際病院に救急搬送された。
小児科で精密検査を受けると、カーテンの向こうで看護師らがバタバタと動き始めた。見渡すと、医師たちが立って話し始めている。「ただごとではない」と覚悟した。
小児科医の真部(まなべ)淳…