新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、重症者数や死者数が夏の第7波に近い状況になってきた。増加ペースが速く、影響は全国各地の医療に及び始めた。
「世間が思う以上に逼迫(ひっぱく)感がある」。熊本県内でコロナの重症患者をみる済生会熊本病院の川村宏大医師は危機感を募らせる。この2週間ほどで急激な感染者の増加を感じるという。
内閣官房によると、熊本県は16日時点で病床使用率が全国で最も高い99%だった。県や熊本市によると、20日までに市内の医療機関44カ所のうち8カ所でクラスター(感染者集団)が発生した。他の病気で入院中の患者が、そのままコロナの入院患者数で計上され、病床使用率が急上昇した。
県は16日に入院体制を「緊急時」に引き上げ、コロナ用に約200床増やしたが、使用率は5割と高いままだ。
数字上は病床が空いていても、急患に備えるために患者を受け入れられない場合もある。済生会熊本病院は8床のコロナ用病床のうち7床を使用し、1床が空いているが、重症患者以外は受け入れを断っている。急患は冬場に多い傾向があり、川村さんは「病床使用率が8割程度でも実質的には100%に近くなる。救急車を呼んでも病院に行けない状況になりつつある」と話す。
11月下旬から、感染者数が…

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