高校駅伝最多V、「公立の星」世羅の強さのワケ 経済記者が迫った

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松田史朗
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 25日に京都で行われる全国高校駅伝に出場する広島県立世羅高校は、男子は歴代最多の11回、女子は2回の優勝回数を誇る駅伝強豪校だ。世羅高校はなぜ、強いのか。経済担当記者の私は、ヒト、モノ、カネのポイントから謎に迫った。

戦後間もなく、キーマンのもとで全国優勝

 世羅町と駅伝の関係は長く、キーマンがいた。陸上部のOB・OG会事務局長を務めた神田敬州さん(59)によると、世羅高校は戦後まもなく、地元出身で著名な陸上選手だった内海冨貴郎さん(1907~84)を体育教師に迎えた。

 内海さんは「走力」「洞察力」「信じる対象を持つ」の三つの要素が欠かせないと考え、体育の授業に駅伝を導入した。1950年、45校が出場した第1回全国高校駅伝で世羅高校は2位に約2分の大差をつけ優勝。翌年も連覇し、全国に名をはせた。72、74年も全国制覇し、名声を高めた。

 ところが、75年以降は優勝から遠ざかった。テレビ中継が始まると、私立強豪校は駅伝に力を入れるようになり、全国レベルの中学生のスカウトを進めた。

 そんな逆風をはね返したのが、陸上部OBの岩本真弥さん(57、現・ダイソー女子駅伝部監督)だ。04年、母校の監督に就任すると「速い選手より強い選手を」との理念のもと、選手の生活面の態度にも目配りしてチームをよみがえらせた。

広島県立世羅高校陸上部はなぜ駅伝に強いのか。経済記者がヒト、モノ、カネのポイントから謎に迫ります。記事後段には、後援会長のロングインタビューもあります。

 岩本さんは「強力な地域の後…

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