「大きな転換点」初の内密出産から1年、赤ちゃんは特別養子縁組へ

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堀越理菜
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 国内初の「内密出産」から1年となるのに合わせて、熊本市の慈恵病院は22日、記者会見を開いた。赤ちゃんが遺棄・殺害される事件が後を絶たないなか、蓮田健院長は「無事に生まれてきてくれることが意義深い。大きな転換点となる1年で、内密出産が日本の社会の一つのセーフティーネットとして形をなしていると思う」と振り返った。

 内密出産では、妊婦が病院の担当者にだけ身元を明かして出産する。昨年12月に慈恵病院で初の事例となる赤ちゃんが生まれ、病院はこれまでに7人が内密出産したと公表している。新たに内密出産を希望している人もいるという。

 病院によると、すでに特別養子縁組を前提とした家庭で育てられている赤ちゃんがおり、ほかの事例も母親の意向を確認しながら、特別養子縁組などに向けた対応が進められている。出産した母親たちとは、病院の新生児相談室長がやりとりを続けていて、それぞれ赤ちゃんの様子を気にかけているという。内密出産をしたことがその後、周囲に知られたケースも1件あったという。

陣痛後、病院まで長距離移動のケースも

 医療費は7人で計590万円…

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