「論壇時評」CGの小阪淳が個展 「AIは意識が作れるかも」
編集委員・大西若人
朝日新聞の「論壇時評」のCG作品など、批評性に富む表現で知られる美術家の小阪淳(56)が、ここ15年ほどの作品を集めた個展を東京都内で開いている。
会場では、2010年4月から毎月描いてきた「論壇時評」のCGのうち4点を、その周囲のテキストが建築物でいえば「敷地」にあたると考え、紙面全体の形で展示している。
ほかに、ある数式から自動生成される画像が次々現れる作品や、フンとビッグバンを等価に扱い、食物連鎖を表現したゲーム型の表現などがある。さらに、時計の長針、短針、秒針の動きだけを抽出し、再構成した新作立体「時形」も。
小阪は「科学では再現性が求められるのに、人生は一度きり。その違いを意識することがテーマになってきた」と話す。その小阪からすれば、「AI(人工知能)は再現性のある意識を作ることができるかもしれない」と考えられるという。(編集委員・大西若人)
▽小阪淳個展「響体」は29日まで、東京・両国の両国門天ホール。27日休み。
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