記録的な豪雪もたらす「JPCZ」観測したら 一般的な雪雲との違い
佐々木凌
三重大などの研究チームが今年1月、大雪被害の原因と考えられているJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)の構造を観測した。幅は狭かったものの、一般的な雪雲より厚かったという。「観測できたデータをもとに気象シミュレーションを改良することで、豪雪の予測精度向上につなげられれば」と説明している。
JPCZは、シベリアからの寒気が朝鮮半島北部の山脈で二つに分かれ、日本海付近で合流することで帯状の雪雲ができる現象だ。集中豪雨をもたらす線状降水帯とも似ていることから、研究チームは「線状降雪帯」とも呼んでいる。主に山陰地方から北陸地方にかけての日本海側に豪雪をもたらすことで知られてきたという。
研究チームは今年1月、島根県・隠岐島付近に観測船を出し、JPCZを横断しながら観測気球を飛ばして気温や湿度、風向きや気圧を調べた。
この時のJPCZの幅は約1…