北海道のバス会社の労組に入っている運転手たちが、24日、腕章とハチマキをつけて、ハンドルを握る静かなデモを始めた。労働条件の改善を求める労組は当初、バスの運行をやめるストライキを打つことも考えた。しかし、利用客に迷惑はかけたくない。たどりついた答えは、クリスマスの曲にちなんだ「サイレント・デモ」だった。
この会社は、北海道千歳市を中心に路線バスなどを走らせる千歳相互観光バス(本社・千歳市)。24日朝、札幌地域労組千歳相互バス支部長の江崎毅さん(56)は「団結」と書かれた赤い腕章とハチマキをつけてバスに乗り込んだ。
同社の労使は、企業が労働者に法定労働時間を超え残業させる場合に義務づけられている「36協定」を結んでいない。労使の話し合いがまとまらず、3月にそれまで締結していた36協定が失効したためだ。9カ月ほど違法な状態が続いている。
労使の対立が決定的になった…