インド「デリーメトロ」開業から20年 日本が支援、女性専用車両も

ニューデリー=石原孝
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 インドの首都ニューデリーの近郊を走行し、日本が資金・技術面で支援してきた都市型鉄道「デリーメトロ」が24日、開業から20年を迎え、運営するデリーメトロ公社や日本政府の関係者らが式典を開いた。

 メトロは1990年代に計画され、進行中の路線も含めて総事業費は約1兆7千億円。その半分近くを日本が円借款で供与している。当初は「インドでメトロなんてできるのか?」という声も日本側にあったというが、2002年12月24日に開業式典を開き、一部の運行を開始した。

 国際協力機構(JICA)によると、現在は286駅が建設され、全長は約390キロ。1日あたりの乗客数は約500万人に及び、世界最大級のメトロに成長した。女性に対する性犯罪なども多いインドで女性専用車両も設置し、女性の安全対策や社会進出にも貢献。両国の友好関係を象徴する事業となっている。

 近年は、日本が支援するバングラデシュインドネシアのメトロ事業でも、デリーメトロ公社との協力が進んでいる。

 この日の式典に出席した鈴木浩・駐インド日本大使は、メトロの建設が女性の安全や環境対策などにつながったとして、「デリーメトロは(デリーの街や人々に)変革をもたらした」とあいさつ。デリーメトロ公社のビカス・クマール総裁は「この成功は、日本の協力と支援なくしてかなわなかった」と感謝の意を示した。(ニューデリー=石原孝

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