光免疫の保険診療、100施設に拡大へ 自由診療とは別「注意を」
がんだけを狙い撃ちする「光免疫療法」について、保険診療でできる施設が来春には国内100施設を超す見通しになった。2020年に承認された薬「アキャルックス」を販売する楽天メディカルが発表した。
光免疫療法は、特定のがん細胞にくっつく抗体と、近赤外光を当てると反応する化学物質を結合させ、薬として使う。光を当てると、光に反応した薬ががん細胞を壊す。がん細胞だけを狙い撃ちするため、副作用が少ない新たな治療法として注目されている。
対象は従来の治療で治らない頭や首の部分のがんで、所定の講習を受け、治療法に伴う合併症などに対処できる医師がいるなどの条件を満たす施設で受けられる。20施設で始まり、今年12月時点で約90施設。これが来春には40都道府県の100以上の施設、230人以上の医師に広がる見込みという。
薬代は1回約400万円と高価だが、公的医療保険が適用され、自己負担が一定の上限額で済む「高額療養費制度」が使える。自由診療で「1回30万円」などと案内する施設もあるが、承認された光免疫療法とは異なり、注意が必要だ。同社広報担当者は「光免疫という文言だけでなく、安全性や有効性が確保されている保険診療なのか、確認して受けてほしい」と話す。
保険診療をする施設は同社のサイト(https://rakuten-med.com/jp/news/press-releases/2022/12/22/8308)に掲載されている。(編集委員・辻外記子)
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