大手宝飾品メーカーのナガホリ(東京)の長堀慶太社長(59)宛てに、1通の内容証明付き郵便が届いた。「貴社の臨時株主総会の招集を請求します」
昨年11月下旬のことだ。差出人はナガホリの大株主である都内の物品販売会社リ・ジェネレーション。業績の不振と女性取締役が一人もいないことなどを問題視し、長堀社長ら同社の役員解任と、新たな役員選任を臨時総会で求める、という内容だった。
長い目の投資でも、目先の利益追求でも、株主であれば平等に扱う「1株1票」は絶対なのか。海外では、「資本の論理」を見直す動きも広がっている。
狙われた企業の疑念
リ・ジェネ社が大株主になっているとわかったのは4月初め。その直前に株価が急騰し、出来高も膨らんでいた。「嫌な予感がした」。長堀社長が株主名簿を入手すると、見たこともない会社名や個人名がいくつも並んでいた。
オオカミの群れのように突然…