第6回シャッター商店街には掘り出し物件が眠る 「さかさま」支局が全国に
シャッターが目立つ商店街の空き店舗対策に、「さかさま不動産」のマッチングの仕組みを活用しようという動きもある。
「ゲストハウスを開きたい」「焼き物を通じて交流できる場所がほしい」
昨年9月、岐阜県多治見市の多治見駅近くのながせ商店街。複合施設・ヒラクビルで、さかさま不動産の多治見支局の開局イベントがあった。
空き店舗が目立つ中心市街地で事業を始めたい、街を良くしたい、という希望と熱意を持った30~50代の約50人が県内外から集まった。
支局を運営するのは、一般社団法人「多治見市観光協会」(愛称・たじみDMO)だ。
最高執行責任者の小口英二さん(43)は長野県出身。「まちづくり」の道を志し、2009年に市内に移住した。空きビルを改装し、書店やカフェが入るヒラクビルの運営のほか、空き店舗対策などにも取り組んできた。一定の成果を上げたが、限界も感じていたという。
連載「解決!さかさま不動産」
「さかさま不動産」のウェブサイトには物件を探している人の情報が掲載され、それを見た大家が貸してみたい相手を選び、交渉に入ります。三重県桑名市のベンチャー企業「On―Co」が手がけるサービス。貸し手と借り手が逆転する従来の不動産賃貸ビジネスとは異なったやり方に注目が集まっています。
埋もれた物件を発掘
空き店舗を埋めるほど貸せる物件は減り、家賃相場は上がる。その結果、出店意欲がある人がいても受け皿がない。そんなジレンマに陥っていた。
小口さんは「街に魅力を感じ…