1位「復帰50年」2位「選挙」… 2022年沖縄の十大ニュース

沖縄はいま

沖縄タイムス
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目次

1 復帰50年 変わらぬ基地負担 「平和の島」は道半ば

2 自公、全7市長選勝利 知事選は「オール沖縄」制す

3 物価高騰 県民生活を直撃

4 コロナ3年 変異株猛威

5 「有事の影」 島に忍び寄る

6 首里城再建へ起工

7 県勢プロ選手が活躍

8 世界のウチナーンチュ集う

9 辺野古座り込み3千日

10 人間国宝3氏逝く

次点 高校生失明 巡査を書類送検

 沖縄タイムス社は2022年の県内十大ニュースを選んだ。1位は5月15日に迎えた「復帰50年」。沖縄はいまだ在日米軍専用施設の約7割が集中し、事件事故も後を絶たない。平和な島の実現は道半ばだ。一方で節目に合わせ、NHKが沖縄を舞台にした連続テレビ小説「ちむどんどん」を放送するなど明るい話題もあった。2位は「選挙イヤー」。知事選を天王山参院選、7市長選、13町村長選、30市町村議会選が相次いだ。3位は「物価高騰」。ロシアのウクライナ侵攻に端を発する資源高騰に円安が重なり、県民生活を直撃した。燃料価格も高騰が続き、沖縄電力は来年4月から標準的な家庭で電気料金を39・3%値上げする。4位以下の話題も含め、特集で詳報する。

1 復帰50年 変わらぬ基地負担 「平和の島」は道半ば

 2022年5月15日、沖縄は日本に復帰して50年を迎えた。戦後27年間に及ぶ米軍統治に終止符を打ち、県民は「平和で豊かな沖縄」の実現を切望したが、いまだ在日米軍専用施設の約7割が集中し、航空機騒音や米兵による事件・事故、環境汚染などの基地被害が後を絶たない。

 半世紀を迎えた日、県内と東京で「沖縄復帰50周年記念式典」が開かれた。玉城デニー知事は「復帰に当たって政府と共有した『沖縄を平和の島とする』との目標が、なお達成されていない」と訴えた。

 岸田文雄首相は式辞で基地負担の軽減に言及したが、式典後、新基地建設の断念にあらためて否定的な見解を示した。

 復帰50年に合わせて沖縄タイムスと朝日新聞、琉球朝日放送が共同で実施した県民意識調査では、沖縄に集中する米軍基地を「減らすのがよい」との回答が61%で、「今のままでよい」の19%を大きく上回った。これに対し、朝日新聞の全国調査では「減らすのがよい」は46%、「今のままでよい」は41%に上り、全国との意識の差も浮き彫りになった。

 一方、復帰50年の節目は、沖縄の文化を発信する機会にもなった。ふるさと沖縄の料理に夢を懸けたヒロインと、支え合う家族の絆を描いたNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」が放送され、反響を呼んだ。特産品を扱う銀座わしたショップ本店の売り上げが伸びるなど、経済波及効果もあった。

2 自公、全7市長選勝利 知事選は「オール沖縄」制す

 選挙イヤーの今年は、県内政局最大の政治決戦となる知事選(9月11日投開票)で、「オール沖縄」勢力が推す玉城デニー氏(63)が33万9767票を獲得。自民公明が推薦した前宜野湾市長の佐喜真淳氏(58)に約6万5千票差をつけて再選を果たした。

 オール沖縄は7月の参院選沖縄選挙区での伊波洋一氏(70)の再選に続き、全県選挙で連勝。一方、市長選では自公が推す候補者が7戦全勝した。

 名護、南城、石垣、沖縄、宜野湾豊見城、那覇の全7市長選は自公の推薦を得た候補者が全員当選した。県内全11市の中で保守系首長が結束する「チーム沖縄」が、9市へ勢力を広げた。

 10月の那覇市長選では、自公が推す前副市長の知念覚氏(59)が初当選した。オール沖縄の支援で市長を2期務めた城間幹子氏(71)が知念氏を後継として支援したことは、オール沖縄の選挙態勢に影響した。

 また、13町村で首長選、30市町村で議会選挙があった。統一地方選と知事選の投開票日が同じ日で、宜野湾と大宜味、伊是名の3市村は知事、首長、議会の3選挙が重なる「トリプル選挙」だった。

3 物価高騰 県民生活を直撃

 2月に端を発したロシアのウクライナ侵攻による資源価格の高騰や円安の影響は、県民生活や県経済を直撃した。飲食料品や生活用品が軒並み値上がり。ウクライナ情勢に伴う小麦など輸入穀物の価格高騰は、県民食の沖縄そば、天ぷらやパンの値上げも招いた。

 「ウィズコロナ」で経済活動の再開が加速する中、資源価格の高騰は県内の輸送業、農畜産業、漁業、印刷業、泡盛・ビール製造など幅広い業種にも影響した。中でも最もインパクトがあったのは、沖縄電力が発表した来年4月からの電気料金の値上げだった。

 ウクライナ情勢と円安の進行による石炭など燃料価格の高騰を背景に、標準モデル世帯で39・3%の値上げを見込む。事業者向けの高圧・特別高圧プランはさらに大幅な値上げを見込む。

 同社は2022年度通期で485億円の経常損失を見込み、「過去に類を見ない未曽有の事態で、電力の安定供給に影響が出かねない」(本永浩之社長)と理解を求めている。

 12月23日現在、原油価格や円安の為替レートは落ち着きを見せつつあるが、来年度からの電気料金の値上げが家計や企業経営に与える影響が懸念される。

4 コロナ3年 変異株猛威

 新型コロナウイルスの猛威は3年目となり、感染力の強いオミクロン株に置き換わった。オミクロン株は次々に変異しながら、「第6波」(1月1日~3月29日)、「第7波」(3月30日~9月30日)となって押し寄せた。

 全国に先駆けて年明けから流行した。「まん延防止等重点措置」を経て、2月中旬には下げ止まった。全国では減少傾向が続いたものの、県では流行が継続。3月25日から8月18日の147日間、人口比の新規感染者数が都道府県別で全国ワーストを記録した。

 オミクロン株「BA・5」が主流となった今夏、ピーク時の新規感染者は6千人超に。1~9月にかけて感染者は計44万9604人、死亡者数は計399人に上った。

 10月には新規感染者数が100人を切るなど小康状態に。那覇大綱挽(ひき)、沖縄の産業まつり、NAHAマラソンなど大型イベントが復活し、日常生活再開の兆しが見えた。11月からは緩やかな増加傾向が続いている。

5 「有事の影」 島に忍び寄る

台湾問題を巡る米中対立や北朝鮮ミサイル実験で、沖縄には再び「有事の影」が忍び寄った。

 8月、ペロシ米下院議長の訪台に対抗し、中国軍が台湾周辺で軍事演習を実施。日本の排他的経済水域(EEZ)内の波照間島や与那国島周辺海域に弾道ミサイルを着弾させた。

 11月、大規模な日米共同統合演習「キーン・ソード23」が開かれ、県が懸念を示す中、与那国島では戦闘車が公道を走行した。

 政府は北朝鮮による弾道ミサイル発射が相次いだことを受け、中断していた住民避難訓練を再開。11月には与那国島で実施された。

 12月は政府が安全保障関連3文書を閣議決定。反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有など、戦後の安保政策を大きく転換した。

6 首里城再建へ起工

 首里城火災から3年が経過した。11月3日には正殿復元工事の起工式が行われた。国頭村から調達した「御材木(おざいもく)」を奉納する「木遣(きやり)行列」もあり、関係者や地域住民らが工事の安全を祈願した。2026年の完成を目指し、来年以降、工事が本格化する。

 事業費約120億円のうち、約24億円は県内外から集められた首里城復興基金を充てる。来年は正殿を雨風から守る「素屋根(すやね)」を設置し、正殿の組み立てが始まる予定。

 県では今年4月から復興基金に代わり、「首里城未来基金」を設置。人材育成など長期的な取り組みも進める。また、国や県、指定管理者の沖縄美ら島財団は「見せる復興」を掲げ、再発防止にも力を注いでいる。

7 県勢プロ選手が活躍

 プロスポーツで、県出身選手の活躍が目立った。男子国内プロゴルフで比嘉一貴選手が今季4勝を挙げ、初の賞金王に輝いた。

 プロ野球では西武の山川穂高内野手が41本塁打、90打点でパ・リーグ2冠に輝いた。ソフトバンクの東浜巨投手は5月の西武戦で、史上84人目(通算95度目)、県出身投手で初のノーヒットノーランを達成。オリックスの宮城大弥投手は、26年ぶりの日本一を決めた10月の日本シリーズ第7戦に先発し、5回無失点で勝利投手になった。シーズンでも11勝(8敗)を挙げリーグ連覇に貢献した。

8 世界のウチナーンチュ集う

 前回から6年ぶりとなる「第7回世界のウチナーンチュ大会」が10月30日から5日間、沖縄セルラースタジアム那覇をメイン会場に開催された。

 新型コロナウイルスの影響で1年延期し、オンラインを含めたハイブリッド方式が取られ、海外から24カ国2地域の約1800人、県外から約1800人が参加。オンラインでは延べ約14万人が視聴した。

 前夜祭の国際通りパレードをはじめ、歓迎会など関連イベントが各地で開かれ、世界の県系人は国境を越え、アイデンティティーと絆を強めた。

9 辺野古座り込み3千日

 名護市辺野古の新基地建設を巡り、県による埋め立て承認撤回を取り消した国交相の裁決を県が取り消すよう求めた抗告訴訟で、最高裁は12月8日に訴えを棄却。仲井真弘多元知事による埋め立て承認を巡る裁判は全て終結した。

 キャンプ・シュワブ前の座り込み行動は3千日を超えた。10月3日には実業家のひろゆき(西村博之)氏が市民のいない時間に現地へ来て「新基地断念まで 座り込み抗議 3011日」と記す掲示板を「0日にした方がよくない?」と投稿し、物議を醸した。その後も事実と異なる内容の投稿を続け、批判が相次いだ。

10 人間国宝3氏逝く

 技を極め、そして沖縄の平和を訴え続けた重鎮がこの世を去った。

 3人の人間国宝が逝去。琉球王府時代から続く首里織に精通した宮平初子さん(享年99)、芭蕉布の復興に尽くした平良敏子さん(同101)、歌三線の発展に尽力した琉球古典音楽の照喜名朝一さん(同90)。沖縄の宝が残した功績は後世へ受け継がれる。

 親しみのある多くの曲が愛された作曲家の普久原恒勇さんは89歳だった。

 革新の政治家として活動した元衆院議員、社民党副党首の照屋寛徳さん(同76)、元社大党委員長で参院議員を務めた島袋宗康さん(同96)も鬼籍に。「集団自決(強制集団死)」の生き残りとして証言した金城重明さんは93歳だった。

次点 高校生失明 巡査を書類送検

 1月27日未明、沖縄市宮里の路上で沖縄署に所属していた男性巡査(30)が、バイクを停止させようと右手に持った警棒で運転手の男子高校生(18)にぶつけ、右目を失明させた。県警は約9カ月の捜査で、11月2日に巡査を特別公務員暴行陵虐致傷の疑いで那覇地検に書類送検。巡査の一連の行為を「不適切」と結論付け「故意犯」と判断した。

 事件直後、同署に若者約400人が集まって一部が投石する騒動が発生。県警は12月8日、当時16~19歳の少年7人を暴力行為等処罰法違反(集団的器物損壊)の容疑で那覇地検に書類送検した。

【沖縄タイムス社選定 2022県内十大ニュース】

1 復帰50年 「平和の島」道半ば

2 自公、全7市長選で勝利

3 物価高騰 電気料金も値上げへ

4 コロナ禍3年 オミクロン株猛威

5 「有事の影」 離島に忍び寄る

6 首里城再建へ起工

7 プロスポーツ界 県勢が活躍

8 世界のウチナーンチュ大会開催

9 元知事埋め立て承認 裁判終結

10 人間国宝3氏が死去

次点 高校生失明 警察官を書類送検

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(2022年1月1日~12月12日)

(1) オミクロン 医師が見た主な症状(1月12日)

(2) 県警「警察官かばうつもりない」(2月4日)

(3) 沖縄980人前後感染 過去最多(1月6日)

(4) 若者300人以上 沖縄署取り囲む(1月28日)

(5) 名護市長選 知事は強気崩さず(1月24日)(沖縄タイムス)

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