バスの乗車券を運賃箱から出して販売…覆面調査で発覚 運転士を解雇

寺島笑花
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 バスの乗車券を運賃箱から取り出して販売し、計254万4千円を着服したとして長崎県央バス(本社・諫早市)は26日、諫早営業所の男性運転士(47)を懲戒解雇した。親会社である県交通局が発表した。同局の「覆面捜査」で発覚した。

 発表によると、運転士は諫早―長崎間を走る高速シャトルバスや空港リムジンバスの運転業務を担っていた。2020年3月ごろ~22年11月24日の間、運賃箱に細工をして乗客が投入した乗車券を取り出して保管。車内販売で手渡して売上金を着服していたという。

 車内で販売されるシャトルバスの回数券は、2枚つづりか10枚つづりが基本。だが、11月に回数券を買った客から同局に「バラで販売された」と情報提供があり、調査を開始。同局社員が実際にバスで乗車券を購入したが、売り上げに計上されていなかったことが判明したという。運転士は着服を認め、生活費にあてていたといい、全額返済した。

 着服の合計額は本人の申告によるもので、正確な金額は分からないとしている。同局は年明けにも刑事告訴する方針。再発防止策として、今後はドライブレコーダーの確認やチケットの車内販売中止も検討しているという。(寺島笑花)

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