第4回シャッターだらけでも魅力的だった 藤井聡太五冠応援の商店街に新風
愛知県瀬戸市出身の有名人といえば、将棋の藤井聡太五冠だ。市中心部にある「せと銀座通り商店街」では、藤井五冠を応援しようと、空き店舗のシャッターを利用して対局の実況をする「シャッター大盤」が話題を呼んだ。
そのシャッターがあった店に2年前、オーダーメイドの自転車店「FUN SETO GINZA」がオープンした。
タイヤのチェーンやサドルなど16のパーツをカスタマイズし、自分だけの1台を作ることができる。街乗り用のピストバイクやキッズバイクも扱う。大人用は1台4万9280円から、子ども用は2万1780円から注文が可能だ。
店主のダビッド・ユウさん(27)はシングルマザーの家庭で育ち、フィリピン出身の母からは「物を大切に最後まで使い込むこと」を学んだ。「便利な時代だからこそ、愛着をもてるオーダーメイド自転車を通して、モノの大切さを実感してほしい」
同店の開店をきっかけに、瀬戸市に魅力を感じた若者が古着屋やカフェを出店するなど商店街には新しい店も増えてきた。
ダビッドさんは、瀬戸市には縁もゆかりも、友だちもいなかった。なぜここで店を開いたのか。
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感じ取ったのは包容力
高校卒業後、福岡市に本社があるライダーズカフェに入社し、東京・原宿店などで勤務した。22歳のとき、のれん分けする形で名古屋市の大須店で独立した。次の拠点を探し、瀬戸市に行き着いた。
店がある商店街は、大正から…