第8回鳥の絵で賞金1万ドル 才能と障害「二つの特別」の10歳が見る世界
伊藤和行
10歳の少年が描いた鳥の絵が今年3月、デジタルアートのコンペティションで、金賞を受賞した。
日本の企業が企画し、世界から1248作品の応募があった。その中から「ずっと見つめていたくなる不思議なパワーを持つ」と審査員に評された。最高額の賞金1万ドルが贈られ、オークションにも出品された。
タイトルは、「カワウ型飛行都市」。
細かなタッチの線や点で、水鳥のカワウと一体化した城が飛び立つ姿を描いている。
少年は、受賞のコメントでこう自分を紹介した。
〈ぼくの目は、みんなと同じようには見えていなくて、とても狭い範囲しかわかりません。自分の絵も、全部は見えなくて、一部分だけ見えます〉
〈小さいものは、とてもよく見えるので、ずっと遠くの方を飛んでいる鳥を見るのが好きです〉
「見えたものをジグソーパズルのように…」 母も知らなかった世界
東京都内の小学4年生のユウ君。
毎日、母(42)と都内の公園で野鳥観察をしている。
小学校には、2年生の3学期から行っていない。
「学校に行かせなければ、という思いは今はもうありません」
母は言う。
「息子は目や耳が敏感すぎて…