第5回40年放置の元スナックは駄菓子屋に 目当てはお菓子だけじゃない

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高絢実
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 コロナ禍では、大勢で集まることへの自粛ムードが広がった。大人は仕事やオンラインのイベントなどで外部とのコミュニケーションはそれなりにある。でも子どもたちは学校が休みになり、外へ遊びに出かけることも難しい時期が続いた。

 グラフィックデザイナーのあいざわけいこさん(55)はふと思った。子どもたちは今、どうしているだろうか。

 もともと知っていた「さかさま不動産」のサービス。「かなえたい夢」をウェブサイトに載せ、応援したいと思う大家が現れるのを待つ仕組みだ。2021年2月、こんな「想い」を掲載してもらった。

 〈こんな禍の下でも、子どもたちが外で遊べる場所をつくりたい。未来を担う子どもたちのために、いま我々オトナたちができるコト。そして大門エリアがもっと楽しい場所になるコト。そんなコトを考えながら、地元のみんなで駄菓子屋を作りあげていけたらと願っています〉

連載「解決!さかさま不動産」

 「さかさま不動産」のウェブサイトには物件を探している人の情報が掲載され、それを見た大家が貸してみたい相手を選び、交渉に入ります。三重県桑名市のベンチャー企業「On―Co」が手がけるサービス。貸し手と借り手が逆転する従来の不動産賃貸ビジネスとは異なったやり方に注目が集まっています。入居者たちの物語を紹介します。

 持ち主から「子どものために活用してもらえるのであれば、ぜひ」と連絡が来たのは約1週間後。すぐに物件を見に行った。

 名古屋市中村区の大門横丁で約40年間、手つかずだった元スナックだ。築70年以上が経った木造長屋の一角。懐中電灯で照らした店内はほこりだらけ。壁に穴が開き、雨漏りもしていた。「物件が見つかってうれしい半面、どうしたらいいんだと思いました」と振り返る。

店名に込めた願いは

 古民家改修のノウハウを持つ…

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