障害者施設での不妊処置提示は氷山の一角?識者「優生思想と地続き」
聞き手・森本美紀
結婚や同居を望んだ知的障害のある男女に不妊処置を提示していた北海道江差町のグループホーム。どうしてこうした問題が起きたのでしょうか。障害者の地域生活に詳しい東京家政大学の田中恵美子教授(障害学)は「国は子育てを想定した制度設計を」と話します。詳しく聞きました。
――障害者の暮らしを支えるべき福祉現場で、なぜこのようなことが起きたのでしょうか。
支援者も障害者本人も、障害のある人が家庭をつくることへの想像力に乏しい。身近にそうしたモデルを見ていないからです。背景には、そもそも、国の障害福祉の制度設計が、障害者が結婚し、子どもを持ち、家族をつくることを十分に想定していない。このため、支援者の経験値が低い面もあります。
氷山の一角、全国調査を
この施設だけの問題ではなく…