岸田文雄首相は27日午後、首相官邸で記者団の取材に応じ、新型コロナウイルスの爆発的感染が報じられている中国からの入国に関して、入国時検査の強化などの対応を30日午前0時から始めると発表した。

　首相は「中国本土では、感染が急速に拡大しているとの情報がある一方で、中央と地方、政府と民間の感染情報が大きく食い違っているなど詳細な状況の把握が困難であり、日本国内でも不安が高まっている」と指摘。その上で30日から、①中国本土からの渡航者や中国本土に7日以内の渡航歴のある人すべてに入国時検査を実施する②入国時検査での陽性者は全てゲノム解析の対象とし待機施設で原則7日間隔離する③入国検査に万全を期すため今後の中国便の増便等は制限する、と発表した。

　首相は「この措置は新型コロナの国内への流入の急増を避けるため、入国時検査や空港の集約を行うもので、国際的な人の往来を止めるものとならないよう可能な限り配慮を行って実施する」と説明した上で、「国内において、足元の感染状況に十分注意しながら慎重かつ着実にウィズコロナへの移行を進めていく我が国の方針に影響を与えるものではない」と強調した。