多忙、パワハラ…心を病む若手教員 職員室の「悪循環」を断つには
「心の病」で休職する教職員が増加の一途をたどっている。何が先生たちを追い詰めているのか。教職員のメンタルヘルスケアに取り組む公立学校共済組合関東中央病院メンタルヘルスセンターの秋久長夫医長は、職員室が「悪循環」に陥っていることが背景にあるとみる。
――精神疾患による休職者と、1カ月以上病気休暇を取った人が2021年度、合わせて1万944人に達しました。1万人を超えたのは初めてです。何が起きているのでしょうか。
やはり一番の原因は、忙しすぎることです。全体の仕事量に対して、圧倒的に人が足りていません。初任者で倒れる方も多く、若い方のメンタルヘルス不調が増えてきているように感じます。
――文科省の発表でも、年代別の在職者に占める割合は20代が1・87%で最多。30代は1・36%、40代は1・27%、50代以上は0・92%で、若手の率の高さが目立ちました。
2016年からメンタルヘルスセンターで勤務していますが、その頃から受診者は若い人が多い印象でした。40~50代のベテラン教員の場合は、職場のストレスに加え、自分の家庭や親の介護など、様々な要因が重なってダウンする傾向があります。
一方で、20~30代の若手の教員は、学校でのストレスだけでダウンすることも少なくありません。
――何が若手教員を追い詰めているのでしょう。
記事後半では、若手教員が追い詰められる実態の分析とともに、「悪循環」の改善に向けたアドバイスや提言も紹介しています。
問題の一つとして、パワハラ…