公取委、デンソーや佐川急便など13社を名指し 下請け取引を問題視

有料記事

若井琢水
[PR]

 公正取引委員会は27日、原材料費などで下請け企業のコストが増えたにもかかわらず、適切に価格交渉をしなかったとして、デンソー佐川急便、JA全農など13の企業や団体の名前を公表した。コスト上昇分を適切に取引価格に反映しなければ独禁法違反(優越的地位の乱用)にあたる恐れがあると指摘し、改善を求めている。

 企業名の公表は独禁法に基づいた措置だが、過去30年間行われなかった「踏み込んだ対応」(公取委幹部)だ。岸田政権では、下請け企業の価格転嫁は賃上げにつながるとして、対策の強化を進めている。

 他に名指しされたのは豊田自動織機ドン・キホーテ、日本アクセス、三菱食品など。これらの発注元の企業は、複数の下請けとの間で、コスト上昇を踏まえた価格交渉をしないまま取引価格を据え置いたことが確認されたという。

 公取委は今年6月から、価格…

この記事は有料記事です。残り597文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

  • commentatorHeader
    中川透
    (朝日新聞編集委員=経済、暮らしとお金)
    2022年12月28日11時40分 投稿
    【視点】

     独禁法違反(優越的地位の乱用)は、今年夏に話題となった公取舞台のドラマ「競争の番人」でもとりあげられました。公取は放送ごとにつぶやいたツイッターで優越的地位の乱用が発覚しにくい理由について解説し、 〈ドラマでは取引先がなかなか証言してく

  • commentatorHeader
    木村裕明
    (朝日新聞記者=企業、経済、働き方)
    2022年12月28日12時35分 投稿
    【視点】

    公正取引委員会による今回の企業・団体名の公表は、中小企業が賃上げの原資を確保しやすくする環境整備に向けて、中小企業との価格交渉に消極的な発注者側の大企業に意識改革を迫る重要な取り組みです。公取委が「踏み込んだ対応」に乗り出したことを評価する