JR「維持困難」も、地域の足の確保へ協議開始 路線バス「園福線」

原田達矢
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 西日本JRバスが維持困難との方針を示した京都府南丹市などを通る路線バス「園福線」について、同社と府、地元自治体は27日、協議会を開いて今後の対応を議論した。「地域にとって必要不可欠な路線」だとして、別の事業者を公募することなどを決めた。

 園福線は園部駅と福知山駅を国道9号に沿って結ぶ。地域住民の通勤や、須知高(京丹波町)や園部高(南丹市)の生徒らが通学で利用。府や周辺市町が定める地域公共交通計画でも、「基幹交通」に位置づけている。

 一方、近年は少子高齢化の影響で利用者が激減。西日本JRバスによると、昨年の年間乗車人員は約12万3千人で、最も利用者が多かった1988年と比べて10分の1にまで減った。今年4月からダイヤを改定し、最大4割減便させたが、約7千万円の赤字(昨年10月から今年9月まで)だった。同社の担当者は「元々赤字路線だったが、コロナの影響で利用をやめた人がなかなか戻ってこない」と話し、維持が難しいと判断した、と説明した。

 この日の会議では、南丹市や京丹波町の担当者から「地元の学校からも継続を求める声が出ている」などの意見が出た。地域公共交通活性化再生法の制度を活用すると決め、今後同法に基づき、代替交通の方法や、別の事業者の公募条件を協議する。協議には1年以上かかる見込みで、移行まではJRバスが運行を継続する。府交通政策課の細井浩一課長は「園福線は地域の生活の足として利用されている。地域の声を聞きながら一日も早く確保できるように取り組みたい」と語った。(原田達矢)

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