第5回年収2千万円、でもギリギリの子育て 母が所得制限にはき出した怒り
高橋杏璃
夕飯の支度をする私のまわりを、子どもたち4人が駆け回る。
小3から2歳までの甘えたい盛り。食卓には、5歳の長女が作った折り紙のドーナツが散らばったまま。「テーブルの上、片付けて」
子育ての苦労は絶えないが、「ママ、ママ」と競うように話しかけられると、いとおしさが募る。
子ども4人は珍しい。驚かれることもある。
「4人もいるのに働いて、子どもがほったらかしにならない?」と言われることもある。
違う。4人いるからこそ、夫婦とも働いている。
私は34歳、夫は48歳。関西地方の3階建て住宅に6人で暮らす。共働きで世帯年収2千万円弱。だいぶ稼いでいると思う。でも、「余裕のある暮らし」とは、ほど遠いのが実感だ。
共働きで世帯年収2千万円、なのに余裕のある暮らしにはほど遠いという女性。 4人目の育休中だった2020年の秋、ある政府の方針を伝えるニュースにショックを受けます。 「もういい加減、うんざり」。そう語る女性の姿を通じて、頑張っても報われないと感じられる日本のいまに迫ります。
子どもが1人なら、ゆとりの…