機首から6メートル以内、中国軍機が米軍機に異常接近 南シナ海で

ワシントン=下司佳代子
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 米国のインド太平洋軍は29日、中国軍機が21日に南シナ海上空で米軍機に異常接近したと明らかにした。声明によると、米空軍の偵察機RC135が国際空域で合法的に通常任務をしていたところ、中国海軍の戦闘機「殲11」が機首から20フィート(約6メートル)以内に近づき、RC135は衝突を回避する行動をとったという。

 インド太平洋軍は声明で「我々は自由で開かれたインド太平洋地域のために尽力しており、国際法の下ですべての船舶と航空機の安全に十分配慮しながら、飛行、航行、作戦を継続していく。インド太平洋地域のすべての国が、国際法に従って安全に国際空域を使用することを期待する」とした。

 オースティン米国防長官は11月に中国の魏鳳和国務委員兼国防相と会談した際、中国軍機による危険な飛行に懸念を示していた。(ワシントン=下司佳代子)

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    江藤名保子
    (学習院大学法学部教授=現代中国政治)
    2022年12月30日10時7分 投稿
    【解説】

    中国軍機による挑発行為は、直接には23日にバイデン政権が成立させた国防権限法に対する反発の一環でしょう。今回の国防権限法では過去最大の国防関連予算のもと、台湾への支援強化が明示されました。この後、中国軍は台湾周辺で大規模な軍事演習を展開して