アベマのW杯生中継 2千万人超の視聴を支えたエンジニアの熱き闘い
アルゼンチンが36年ぶり3度目の優勝を果たしたサッカー・ワールドカップ(W杯)カタール大会。
インターネット放送局「ABEMA」(アベマ)は、サッカー史に刻まれることになった大会全64試合を無料で生中継した。PK戦にもつれ込んだ日本―クロアチアの試合では一時2300万人以上が視聴するなどアクセスが集中した。そんな状況でも映像をスムーズに届けた舞台裏では、どんな闘いが繰り広げられていたとみられるのか。コンピューターネットワークに詳しい東京大情報理工学教育研究センターの関谷勇司教授に聞いた。
2千万人視聴 「とんでもないこと」
――アベマのクロアチア戦生配信、どう見ましたか。
テレビでも視聴率が20%を超えることは今時ほとんどない中で、日本の人口の約2割が見ていたことになりますね。それだけインターネットの動画配信がメジャーになってきたということだと思います。しかも、あれだけの規模の配信を支えるには、それなりの技術も必要です。外から見ていたエンジニアの同業者たちは、選手たちの奮闘と同じくらい、これはこれで熱い闘いとして見守ったことと思います。
――今回の配信を支えた技術は、どれくらいすごいものなのでしょうか。
日本だけで2千万人以上が配信を見ている状況はとんでもないことで、おそらく初めてのことです。世界規模で見ても例がない。トラブルなく配信するためには、お金も技術も必要です。それをできる自信が、今回のアベマにはあったのでしょう。エンジニアたちの努力のたまものでもあったと思います。
――そもそも、従来のテレビ…
- 【視点】
大変わかりやすい、インターネットの仕組みがわかる解説。Abemaの偉業がどのくらいすごいことだったのかをネットの仕組みがわからない人にも伝わる記事になっていて、とても良い。それにしても、我々が当然と思って使っているネットがエンジニアの人たち