「金利競争は限界」 メガバンク、ネット銀行への住宅ローン対抗策

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高橋諒子
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 日本銀行金融緩和策の修正をきっかけに、大手銀行が住宅ローンの固定金利の引き上げを発表したことで、住宅ローンへの関心が急速に高まっている。日銀が大規模な緩和を始めて以降、金融機関の間では住宅ローンの金利競争が激化。利益を削った闘いに、金利競争から一線を画す銀行も出てきている。

 「これで採算がとれるのか」

 三菱UFJ銀が10月、10年固定型の住宅ローン金利を9月に比べ0・06%幅引き下げて0・83%にすると、一部のライバル行の間に驚きが広がった。米国の長期金利上昇にともない、固定型の住宅ローン金利が連動する日本の長期金利も上昇。9月より上げて1%超に設定した銀行も多かっただけに、引き下げという逆の動きは際だった。12月30日に発表した1月の固定金利の上げ幅も3行では最も低く抑えた形になった。

 同行の動きの背景にあるのは、固定型への顧客の関心の高まりだ。日本でも物価高が進んだ今年、同行では金利上昇を心配して固定金利を選ぶ顧客が増えたという。10月の引き下げについて、住宅ローンを担当するデジタルサービス推進部は、住宅ローン需要が増える時期で「金利上昇リスクに備えたいというお客様の声に応える」との狙いを説明した。

「トータルで採算取れれば」

 住宅ローン市場では近年、基…

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    中川透
    (朝日新聞編集委員=経済、暮らしとお金)
    2022年12月30日22時15分 投稿
    【視点】

     ①共働きによる「2馬力」の収入②タワマンなど都心部の魅力的な物件増、そして③超低金利。この3要素が、近年のマンション販売の活況を生んできました。  ①賃金が伸び悩むなかでも共働きで世帯収入が増え、購入予算増  ②共働きにあった職住近接