55年ぶりの箱根路 立教大の「日本一速い監督」が今、背負うもの
堀川貴弘
立教大が55年ぶりに箱根路に戻って来た。当初は2024年の第100回大会の出場を目ざしていたから、目標より1年早い返り咲きとなった。
同校を率いる上野裕一郎は、中央大学の選手時代に、4年連続で全日本、箱根駅伝を走った。エスビー食品、DeNAでもトラックや駅伝で活躍し、09年ベルリン世界選手権の5000メートルに出場した。
「現役時代は人の話を聞いているのか、聞いていないのか分からないようなところがあったからね。本音を言うと、監督になって大丈夫かなと思った」
DeNAの総監督だった瀬古利彦はそう振り返る。
ペース配分など細かく指示しても、いざレースになるとお構いなしにぶっ飛ばす。そんな走りっぷりからの印象だった。
上野にとって、偶然が重なって開けた指導者への道だった。
18年、上野は立教大職員で…