障害があっても自宅から接客 アバターロボットで就労支援の実証実験
甲斐俊作
障害のある人が自宅に居ながら遠隔で接客できるようにと京都府は、アバターロボットを使った実証実験を26日、精華町のけいはんなプラザで実施した。障害者雇用につなげたいという。
アバターの役割を果たすのは、ミミズクの形をした卓上型小型AIロボット。ハタプロ(本店・京都市、伊澤諒太代表取締役)が開発した。
この日は、けいはんなプラザ内のカフェ入り口とテーブルの上に2体のロボットを設置。自宅を想定し、カフェから離れた場所にある同プラザのホテル客室内で、8年前にスポーツ中の事故で手足が不自由になった宇治市の幼稚園職員の羽原大八さん(46)と、5年前に病気で歩行が困難になった元教師福山恵子さんが、ロボットのオペレーターを務めた。
ロボットのセンサーが入店者を感知すると、顔を入店者に向け、羽根をばたばたさせて愛嬌(あいきょう)をふりまいた。羽原さんの前のパソコン上に入店者の映像が映し出され「いらっしゃいませ。検温と消毒をお願いします」と、羽原さんが応答。入店者は羽原さんの声に従って進み席に着いた。すると、今度はテーブル上のロボットが入店者を感知し、福山さんが遠隔でランチメニューなどを説明した。羽原さんは「遠隔の仕事なら誰でもできる。今日は入り口係と注文係を分担したが、慣れれば1人でもできる」と話した。
足利健淳・府ものづくり振興課長は「初の実証だがまずまずうまくできた」。障害者の雇用支援などを話し合ってきたカフェ経営者の佐々木阿悠佳さん(45)は「すぐにでもロボットを活用し、在宅の障害者の雇用を可能にしていきたい」と話した。(甲斐俊作)
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