戦禍逃れ…ウクライナの青年が角界へ 後押しした日本の「兄」

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竹花徹朗
【動画】ウクライナ人力士 ダーニャの夢=竹花徹朗撮影
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 ウクライナから戦禍を逃れて来日した相撲好きの青年が、大相撲の土俵へ上がる夢への一歩を踏み出した。後押ししたのは、SNSを通じてはぐくまれた神戸市の大学生との交流だった。

 大阪府吹田市にある関西大学の相撲部道場。昨年10月初旬、体と体がぶつかり合う音が響いていた。

 肩から白い湯気が出る学生たちの中で、ひときわ童顔に見えるウクライナ人の青年がいた。身長180センチ、体重120キロのダニーロ・ヤブグシシンさん(18)。愛称はダーニャ。土俵上で、主将の山中新大さん(23)とぶつかり稽古に励んでいた。

 ダーニャと山中さんの出会いは2019年。山中さんは、堺市で開かれた相撲の世界ジュニア選手権大会で3位になったダーニャの取組を目の当たりにした。

 「相撲の取り方が格好いい」と会場で直接話しかけ、インスタグラムでつながった。

 その後もSNSで交流を続けた。「どんな練習をしている?」「大相撲の番付はどうやって決まるの?」……。ダーニャからの英語のメッセージは相撲のことばかり。山中さんは「相撲愛がめちゃめちゃあるな」と強く感じていた。

 そんな日常が破られたのは昨年2月24日。ロシアのウクライナ侵攻が始まった。山中さんはダーニャへ、SNSでメッセージを送った。「大丈夫?」

 返信があった。「大丈夫」…

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