長野の雪崩、亡くなったのはスキー元世界王者 直前に日本の雪質絶賛
長野県小谷(おたり)村で、スキー場のゲレンデ外を滑走していた外国人らが雪崩に巻き込まれた事故で、死亡した2人のうちの1人は、米カリフォルニア州出身で元世界選手権王者のカイル・スメインさん(31)だった。スメインさんの妻や親族が30日、それぞれのSNSで追悼のコメントを投稿した。
スメインさんは2015年の世界選手権(国際スキー連盟主催)フリースタイルスキー男子ハーフパイプで優勝した。18年にはワールドカップの同種目で優勝するなど実績のある選手だった。米スキー・スノーボード協会も公式SNSで「私たちは素晴らしい人で友人、スキーヤー、チームメートを山で失った」とコメントを出した。
現場に写真家を派遣していたというアウトドア雑誌「マウンテン・ガゼット」によると、スメインさんは今回、米国の企業や長野観光に関するマーケティングの仕事で同地を訪れていたとみられている。
雪崩が起きた当日は訪問の最終日で、事故が起きる滑走の前までは撮影などを行っていたという。同行した写真家は疲れて先に宿舎に戻ったが、スメインさんらはスキーを続けていたとしている。
スメインさんは29日に自身のSNSを更新していた。木々の中を滑る動画をつけながら、日本のスキー場の雪質や楽しい地形などを絶賛し、「これがあるから、私は毎冬日本にくるんだ」とつづっていた。(ニューヨーク=遠田寛生)
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