第56回大統領が「反逆」容疑で逮捕された国 駐ペルー大使が語る騒乱の背景

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牧野愛博
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 世界で3番目に大きい日系人社会がある南米ペルーが揺れています。昨年12月、カスティジョ大統領が「反逆」の疑いで逮捕され、非常事態宣言も出ました。昨年、「遙かなる隣国ペルー 修交150周年 太平洋が繫(つな)ぐ戦略パートナーシップ」(東京図書出版)を出版した片山和之駐ペルー大使は、貧富の差などで国民統合が進まない背景があると指摘します。

 ――最近のペルー国内の状況を教えて下さい。

 カスティジョ氏の支持基盤である南部など一部地域では抗議活動が活発です。1月28日現在、死者57人、負傷者1100人以上(警察側も1人死亡、600人近く負傷)が出ています。首都リマ市内でも地方から抗議者が集まり、デモを行っています。

 他方、在留邦人の生活圏は比較的平穏な状態です。昨年末には日本人観光客20人程度が観光地などで足止めされましたが、日本政府がヘリやチャーター機を飛ばすような事態は避けられました。ただ、観光産業がコロナ禍から本格的に回復しようとしていた矢先だけに、政治不安で再び日本人を含めた旅行者の足が遠のくのは残念なことです。

ペルーの混乱、なぜ起きた?

 ――今回の混乱はなぜ起きたのですか。

 議会で、カスティジョ氏に対…

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