5万年ぶりに地球に近づき、緑色に光っている「ZTF(ズィーティーエフ)彗星(すいせい)」が各地で「目撃」されている。国立天文台によると、地球に最接近する2月2日の前後数日間は5等級ほどの明るさで、双眼鏡などで見えるという。彗星は太陽から遠ざかる軌道に乗り、もう二度と見ることはできない。
米航空宇宙局(NASA)によると、この彗星は昨年3月、米カリフォルニア州のパロマー天文台の望遠鏡で発見され、観測チームの名からZTF彗星と名付けられた。彗星に含まれるガスの影響で緑色に見えているという。
長崎県佐世保市のアマチュア天文家で、県天文協会の会長の松本直弥さん(70)が撮影したのは1月31日午前4時20分ごろ。市内の公園から北の空に400ミリの望遠レンズを向け、30秒露出の4コマを合成した。「寒波の影響で10日ほど晴れず、ようやく恋人に会えたような感じです。淡く光りきれいでした」