自治体のポイント還元競争だれのため コスパ不明でも広がるわけは
編集委員・中川透
記者コラム「多事奏論」 中川透
三重県志摩市や京都府京田辺市は20%、神奈川県藤沢市は25%、東京都墨田区は30%……。全国の自治体が繰り広げるキャッシュレス決済のポイント還元の比率だ。
PayPay(ペイペイ)などを使ってその市区町村の対象店舗で買い物すると、還元を受けられる。20%の場合、1万円使うと2千円分戻ってくる計算になる。各地で競うように広がり、最大手ペイペイとの連携キャンペーンでみると、鳥取を除く46都道府県の425自治体が実施。消費者はお得で、商店は売り上げが伸び、自治体は地元のにぎわいをつくれる。売り手・買い手・地域の「三方よし」の事業に見える。
一方で、お得さの原資が税金だと考えると、喜んでばかりはいられない。税収を取り合うふるさと納税のように、地域間の消費囲い込み競争に陥っていないだろうか。
東京都内では各地の区や市で…