「武器が必要」韓国に迫ったNATO 日本も連携強化、戦略の背景は

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ブリュッセル=玉川透
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 来日中の北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長が31日、岸田文雄首相と会談し、日本とNATOの連携強化を確認した。インド太平洋地域での中国の海洋進出をにらんだ動きだが、NATOは自らが関与を強めるだけでなく、日本や韓国へも関与や負担を求めている。

 ストルテンベルグ氏は訪日に先立って韓国・ソウルを訪れて30日に講演し、ロシアに侵攻されているウクライナに対し、韓国が軍事支援に踏み出すべきだと訴えた。韓国は紛争国に兵器を提供しない方針を掲げており、ウクライナには経済・人道支援にとどめている。

 それでも、ストルテンベルグ氏は「独裁や専制政治に勝たせないためには、武器が必要だ。それが現実だ」と強調。武器支援で韓国と同様の立場をとっていたドイツノルウェーも方針を転換したと指摘し、「ロシアのプーチン大統領が勝てば、武力行使すれば欲しいものが手に入るというメッセージが他の権威主義的な指導者に伝わってしまう」と述べ、韓国に決断を促した。

 NATOがインド太平洋地域への関与強化を明確にしたのは昨年6月にマドリードで開いた首脳会議だ。韓国や豪州とともに日本を招き、岸田氏は日本の首相として初めて出席した。

 この会議でNATOは「戦略…

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