検察側は無期懲役を求刑 弁当店のベトナム女性殺害公判、3日判決へ
松浦祥子
大阪市淀川区で昨年4月、弁当店で働くベトナム国籍のボ・ティ・レ・クインさん(当時31)を殺害したとして強盗殺人罪などに問われた元運送会社員、山口利家被告(60)の裁判員裁判が31日、大阪地裁であった。検察側は「抵抗する被害者を絞め続けた冷酷非道な犯行」として無期懲役を求刑し、弁護側は強盗殺人罪は成立せず、懲役10年が妥当だと主張して、結審した。判決は2月3日。
検察側は、クインさんを自室に誘い込んだ2分後、のどの軟骨が折れるほどの強い力で首を絞めたとし、当初から強盗目的があり、殺意も認められると主張。「殺害してでも金を手に入れようとした動機は極めて理不尽かつ身勝手で、落ち度のない被害者の恐怖は計り知れない」と述べた。
弁護側は、金を借りるつもりだったとし、強盗目的はなかったと反論。中学時代の柔道の経験から失神させられると考えて首を絞めたのであり、殺意もなかったとし、傷害致死と窃盗の罪にとどまると主張した。
被害者参加制度を利用して出廷したクインさんの夫(36)は「被告は、夢をいっぱい持っている女性の命を奪った。適切な判決を望む」と意見陳述した。(松浦祥子)
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