首相「手の内明かせない」 敵基地攻撃の例示せず、深まらぬ国会論戦

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田嶋慶彦 上地一姫
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 相手の領域にあるミサイル発射拠点を直接攻撃する敵基地攻撃能力(反撃能力)をめぐる国会論戦が本格化している。どのような装備を整え、どう運用するのか。野党の質問に対し、岸田文雄首相は「手の内は明らかにしない」などと繰り返すばかり。説明責任を果たそうとする姿勢は見えず、議論は深まっていない。

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 「反撃能力の保有・行使は、先制攻撃、戦争を仕掛ける側に回るリスクがある」。立憲民主党玄葉光一郎氏は31日の衆院予算委員会でこう指摘し、どういう場合に行使するのか例示するよう求めた。

 「専守防衛の範囲内で対応するのは当然だ」。首相はこう説明し、「必要最小限」「他に手段がない」などの「武力行使の3要件」を満たす必要があると強調した。

 敵基地攻撃能力の保有は、岸田政権が昨年12月に改定した国家安全保障戦略など安保関連3文書に明記された。どう行使するかは文書には明記されていないものの、敵基地攻撃も武力行使である以上、「3要件」を満たす必要があるのは当然と言える。

 玄葉氏は納得せず、「ある程…

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