訪日客を引きつける白馬の奇跡 雪とアクセスの良さ、遭難リスク併存
長野県小谷村にある北アルプスの白馬乗鞍岳周辺(約2100メートル)で発生した雪崩は、管理されていない自然の山中を滑走する「バックカントリースキー」に訪れた外国人2人が犠牲になる遭難事故につながった。
4人が雪崩に巻き込まれたが、いずれも登山届提出やガイド同行はなかったとみられている。白馬への訪日客が回復する中、バックカントリーを巡る安全啓発が急務となっている。
1月29日に発生した遭難事故では、30日早朝から県警の山岳遭難救助隊12人が2人を捜索。意識不明の状態で現場に残された2人を発見したが、死亡が確認された。
米プロスキーヤーら2人が雪崩で死亡
県警は31日、遺体の身元が米国人プロスキーヤーのカイル・スメインさん(31)と、オーストリア人のクリストフ・ショフエガーさん(30)だったと発表した。引き続き死因についても調べている。
捜索後、取材に応じた岸本俊朗隊長は、バックカントリーでの遭難が県内で相次いでいることを受け、「雪崩や木への衝突など危険が非常にある。探す側にもリスクがある。バックカントリースキーを予定している方は十分に自分は事故に遭わないと思わないで慎重な行動をお願いしたい」と強調した。
岸本隊長によると、現場に残された2人は天狗原東の20~30センチほどの雪の下で発見された。2人はいずれも発見を助けるビーコンを身に付けていたが、雪崩の規模は幅30~40メートルだったとみられる。
付近はスキーを履いていてもひざ辺りまで雪に埋もれる状態で過酷な捜索活動となった。他に雪崩に巻き込まれた人はいないとみて捜索を終了した。
人が暮らす場所と山の距離が近い白馬
気象庁によると小谷村では2…