節分の豆、窒息で死亡事故も 消費者庁「5歳以下は食べさせないで」

遠藤隆史
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 2月3日は節分。家庭や幼稚園などで豆まきをする機会も多そうだ。一方で、硬い豆やナッツが原因で、乳幼児が誤嚥(ごえん)や窒息する事故も相次いでいる。消費者庁は「5歳以下には豆を食べさせないで」と注意を呼びかけている。

 消費者庁によると、幼児は奥歯が生えそろわず、かみ砕く力やのみ込む力も弱いため、豆やナッツをのどや気管に詰まらせる危険性がある。小さく砕いた豆でも、かけらが気管に入り込んで肺炎や気管支炎を起こすことがあるという。

 2020年2月には松江市認定こども園で、節分の豆まき行事中に園児(4)が豆を詰まらせて窒息死する事故があった。

 このほか、消費者庁と国民生活センターに協力する医療機関(現在は30カ所)から10年12月~20年12月に寄せられた14歳以下の誤嚥や窒息の事故情報のうち、豆やナッツが原因のものは31件あった。「2歳児が豆3個を食べてせき込み、かみ砕いた豆と一緒に5分後に血を吐き出した」「2歳児がアーモンドを口に入れたまま歩行中にむせてせき込み、気管支異物が原因で6日間入院した」などの事例があったという。

 豆まきをするときは、そのまま食べられないように個包装された豆を使ったり、残った豆を子どもが食べないよう後片付けを徹底したりする必要がある。

 もし豆がのどに詰まった場合は、1歳以上の幼児に対しては、後ろから片手で胸と下あご部分を支え、反対の手で背中を何度もたたく「背部叩打(こうだ)法」などの応急処置をして、意識がなければ心肺蘇生を行う。

 呼吸が苦しそう▽顔色が青白い▽ぐったりして呼びかけてもぼんやりしている、といった場合はすぐに救急車を呼ぶ。判断に迷う場合は子ども医療電話相談(電話番号#8000)でも対応を相談できる。遠藤隆史

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