クーデター逃れて来日のミャンマー人「祖国に正義を」 あれから2年

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平山亜理
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 ミャンマーのクーデターに直面して日本に逃れ、いま横浜市で暮らす男性がいる。作業場で働くティンウィンさん(68)。あの日から2年。遠い日本の作業場で働きながら、祖国を思い続けている。

 「若い世代を残し、国を去るのはつらかった」。最寄り駅から徒歩20分、妻と2人で暮らす3Kのアパートで、ティンウィンさんは話し始めた。

 2021年2月。ふるさとの中部・マンダレーにいた。友人からの連絡とラジオで異変を知った。町の中心地にある自宅屋上からは、国軍がデモの参加者に暴力をふるい、家に押し入って幼い子どもらも連行していくのが見えた。

 クーデターのさなかに亡くなった父子の葬式に参列した。6歳の女の子は父親に抱きついたが、父と共に撃ち殺されたと聞いた。

 ティンウィンさんは、Z世代と呼ばれる若者が闘うことを支援していた。運動の中心メンバーだったおいやめいに助言していた。

 おいの家が家宅捜索された。没収された携帯電話には、ティンウィンさんが送ったメッセージが残っていた。おいたちはタイやインドなどに逃れ、ティンウィンさんも親戚のつてで航空チケットを入手し、21年6月に日本に脱出した。SNSのアカウントを削除し、携帯電話も捨てた。

 日本に来るのは2度目だった。

 インド系の裕福な家庭で10…

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