今年も止まらぬ食品値上げ 4月に1万品目突破、うち4割超は2月に
帝国データバンクは31日、今年値上げされる食品の数が1万2054品目に上るとの調査結果を発表した。4月には1万品目を超える見通しだという。「値上げラッシュ」となった昨年より3カ月早い1万品目突破となり、値上げペースは加速している。2月には、このうち4割超にあたる5463品目の値上げが控えているという。
今回から調査対象の食品メーカーを90社増やし、195社を調べた。195社を対象にすると、2022年に値上げされたのは2万5768品目。22年に1万品目を超えたのは7月だったが、今年はそれを超える勢いで価格転嫁が進んでいきそうだ。
今年に値上げされる1万2054品目の内訳は、冷凍食品や缶詰などの加工食品が半分超の6657品目に及んだ。しょうゆやソースなどの調味料(2236品目)、酒類・飲料(1810品目)と続いた。品目ごとの値上げ率の最大値を平均すると16%だった。
値上げの理由を調べると、99%以上の食品で「原材料高」が挙がり、次いで「エネルギー」(88%)、「包装・資材」(71%)だった。「円安」を理由にしたのは25%だったという。
特に値上げが集中しているのが2月の5463品目だ。月別にみると、最多だった昨年10月の7864品目に次ぐ規模になった。
冷凍のミックスピザ(マルハニチロ)やさぬきうどん(テーブルマーク)、トマトケチャップ(カゴメ)やワイン(メルシャン)が2月の値上げを予定している。
この先に注目されるのが小麦価格の動向だ。政府が製粉会社などに輸入小麦を売り渡す価格は4月に改定時期を迎える。改定幅次第では、パンなどの価格がさらに上昇する可能性があるという。(山下裕志)
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