嫌だったエース対決の最終章 近藤幸太郎が今、田沢廉に伝えたい感謝
安藤仙一朗
「戦略的なことは気にせず、楽しもうってことだけでした」
青山学院大の近藤幸太郎(4年)は、そんな意識で花の2区へ駆け出した。
7位でたすきを受けた。
前方には、優勝争いの本命、駒沢大の田沢廉(4年)や、前回大会で1区の区間新記録を樹立した中大の吉居大和(3年)が走っていた。
差は、なかなか詰まらない。
冷静に外国人留学生と並走して力をため、上り坂が始まる12キロ過ぎで集団を飛び出して前を追った。
14・4キロ付近で2位中大の吉居を捉え、さらに先頭の駒大を追い、前へ。
ラスト1キロのスパートで2人に先着を許したが、吉居に次ぐ1時間6分24秒の区間2位でエースの役割を果たした。
3位の田沢とは10秒差。学生3大駅伝で同じ区間を走るのは5度目で、初めてタイムで上回った。
田沢は大学生にして昨夏の世界選手権に出場するほどのトップランナー。
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自分と比べられることは重圧…