留学ゼロからNYT記者に 「すき間時間で語源学ぶ」私の英語勉強法

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聞き手・日高奈緒
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 帰国子女でもない、海外留学も駐在もしたことがない。そんな日本人記者が、米国を代表する新聞、ニューヨーク・タイムズ紙の東京支局にいます。

 上乃(うえの)久子さんは現地採用の日本人記者として、日本の話題や事件を取材する日々を送っています。社会人になってからも英語の勉強を続け、いまの仕事を得ました。同僚は英語ネイティブか、完璧なバイリンガル。日本生まれで日本育ちの上乃さんは、どうやって英語力を磨いてきたのか。その勉強法や英語を使う仕事での心構えについて聞きました。

うえの・ひさこ 1971年、岡山県倉敷市生まれ。四国学院大卒。翻訳会社などを経て、ロサンゼルス・タイムズ東京支局の現地採用記者に。同局の閉鎖後、国際協力機構(JICA)を経て2012年からニューヨーク・タイムズ東京支局に勤務。近著に、上乃さんの勉強法を紹介した「純ジャパニーズの迷わない英語勉強法 増補版」(小学館新書)。

 ――英語の勉強を始めたのはいつからですか?

 「中学校からですね。今と違って、私の子どもの頃は英語を教えてもらえるのは中学からでした」

 ――中学以前に、英語や海外の文化に触れる機会はあったのでしょうか。

 「なかったですね。外国に対しては切手がきれいだなとか、エアメールの封筒の赤と青のデザインがかわいいなとか、そういうイメージしかありませんでした。中学での勉強の他に、NHKラジオの英語講座を聴いたり、近所で日本人の女性が開いていた英語塾に週1回通ったりしていました。そこで、英語を勉強するのが楽しいと思うようになりました」

 ――当時から海外の新聞社で働いてみたいという思いがあったのでしょうか。

 「全然、もう夢にも思っていませんでした。故郷は田舎でしたから、そんな仕事があるということ自体、知るよしもありません」

 「中学校の英語の先生から、ジャパン・タイムズという英字新聞を夏休みに読んでみると良いですねと紹介されて、親に頼んで購読してもらったんです。もちろん難しいし、意味が分からないのでどんどん読まずに山積みになっていって。それで怒られて購読を打ち切られるという、挫折の歴史ならあります。本格的に英字紙に触れたのは、大学の英文科に入ってからですね」

本の上だけで学べることは限られる

 ――大学卒業後は東京の翻訳会社などに勤め、英語を使ったキャリアを積み重ねる間も通訳学校に通うなど、絶え間なく勉強をされたそうですね。社会人になると勉強の時間を取るのも大変かと思いますが、どんな方法で勉強したのですか?

 「勉強は、やめたことはない…

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