捨てられなかった学生時代の思い 移住して取り組む「ふるさと」作り

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高億翔
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 転機が訪れたのは、東京にいた大学時代、インターンシップの地域留学で山あいの町に赴いた時だった。

 北埜航太さん(28)は、地域に培われた豊かな人と人のつながりを生かし、商店街の活性化や空き家問題など地域の課題解決に挑む人たちの姿を目のあたりにして、長野県辰野町での暮らしに魅入られた。

 2019年、町に移住。起業や地域の活性化に取り組む人材を育てる長野県立大の「ソーシャル・イノベーション創出センター」で、地域コーディネーターとして学生ら若い世代の地域活動を後押しする。

 めざすのは、人口の増加が頭打ちの日本で、継続して地域と交わる人を呼び込み、地域に眠る資源を生かした起業や豊かな町づくりにつなげること。同町に移り住んで3年。町外の人々が集うゲストハウスの運営にも踏みだし、今ではこの町を「ふるさと」と呼ぶ。

長野県の真ん中で得た出会い

 東京都町田市出身。始まりは学習院大法学部で「地域活性化」について学んでいた頃。学生同士の勉強会で「ソーシャルキャピタル(社会的資本)」という言葉を知ったことだった。

 社会や地域を支える人々の信…

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