急激に減る出生数、歯止めをかけられるか「今年が分岐点」 論座から

「論座」編集長・杉林浩典
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 日本の少子化が急激な速さで進んでいます。2022年の出生数が、1899年の統計開始から初めて80万人を切る見通しとなりました。国立社会保障・人口問題研究所の予測より8年早く、1980年代前半のほぼ半分の水準となります。

 経済・科学ジャーナリストの木代泰之さん=写真=は、3日の論座(https://webronza.asahi.com/別ウインドウで開きます)に「『出生数80万人割れ』が示すこの国の明日の姿」を寄稿し、この事態を「未経験のステージに移る先触れ」と表現。2023年は、国のシステムを設計し直して人口減少に少しでも歯止めをかけられるかどうかの分岐点になりそうだ、と指摘します。

 同研究所の調査によると、夫婦が理想の人数の子どもを持たない理由で最も多いのは「子育てや教育にお金がかかりすぎる」からといいます。木代さんは、出生数急落の主因は低賃金にあるとし、賃金の大幅引き上げ▽政府や自治体による出産・育児へのさらなる金銭支援を「解決策」に挙げます。

 さらに、企業の内部留保は500兆円を超え、「モノ言う株主」の圧力で株主還元も増えていると指摘。いびつな構造を改め、一部を賃金アップに回せば「出生数の改善に明かりが見えてくる」として、「今年の春闘は『物価高に見合う賃上げ』が旗印だが、『日本の未来を救うための賃上げ』としてもおかしくない」と訴えかけます。

 結婚することや子どもを持つことは、個人の選択です。しかし、懸命に働いても金銭的に報われない社会事情が大きな背景にあるなら、放置していいはずがありません。岸田首相は4日の年頭会見で「異次元の少子化対策」を掲げました。国と企業がどう対応していくか、注視していきたいと思う1年です。

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 上記の論考はこちらから(https://webronza.asahi.com/business/articles/2022122400002.html別ウインドウで開きます)。ほかにも、「来年の春闘は大幅賃上げで『働く人重視』社会に転換を」(https://webronza.asahi.com/business/articles/2022121200001.html別ウインドウで開きます)など、関連した論考を公開しています。

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